乾燥肌のスキンケアは美肌ケアの“基本のき”。改めて肌の乾燥の原因と対策を見直してみましょう。

肌の乾燥

乾燥と肌荒れの対策に、ポイントをおさえてしっかり保湿ケア
きちんとスキンケアをしているのにおでこなど顔の肌がつっぱったり、目のまわりがカサついてメイクのノリが悪くなったり...このような肌の乾燥は年間を通じてだれにでも起こり得る肌トラブル。原因はさまざまで季節によっても異なります。さらにやっかいなのがこういった肌の乾燥によって、新たな肌トラブルが引き起こされてしまうということ!つまり乾燥ケアは美肌ケアの“基本のき”。改めて原因と対策を見直してみましょう。
本来、私たちが理想とする肌は、たっぷりとうるおいがあり、触れると表面がしっとりなめらかであること。でも何らかの原因で肌の内側の水分量が低下してしまうと、キメが乱れてカサついたり、ツッパリ感やごわつき、ざらつきが起きてしまいます。これが肌の乾燥です。

乾燥した肌は内側に水分を閉じ込める細胞間脂質量やNMF量と、うるおいの膜をつくる皮脂量が低下した状態。これによってバリア機能が低下し、肌のターンオーバー低下を招き、皮脂量・細胞間脂質・NMF量がますます減少してしまいます。そうなるとさらに水分が失われやすく、また外部からの刺激も受けやすい状態に。つまり早めにケアをしないとさらに乾燥が進んでしまうという、負のスパイラルに陥ってしまうのです!
実は、肌の潤いを保つ力であるNMFは肌の透明感とも関係があり、量が少なくなると透明感とツヤ感が失われることがわかっています。つまり肌の乾燥はくすみに直結するということ。さらに乾燥した肌はキメが乱れてしまうので、光を反射する力が弱まってしまい、物理的にも透明感や輝きを失ってしまいます。またなめらかさとハリも失われるので、毛穴や小ジワが目立ったり、ひどくなると、粉ふき肌やかゆみが生じることも...。このように肌の乾燥は、さまざまな肌トラブルの引き金となるのです。
さまざまなトラブルの原因にもなる肌の乾燥。そもそも肌を乾燥させてしまう要因とは?実は日常生活のいたるところに乾燥要因が潜んでいました。
紫外線によるダメージ
紫外線を浴びることによって皮脂膜を形成する皮脂が酸化。これによってバリア機能が弱まり、肌の水分が蒸散しやすく、ダメージを受けやすい状態に。また肌の内部では炎症が起こってうるおい構造が乱れ、水分を保つことができなくなってしまいます。肌表面では余分な角質をため込む「角質肥厚」が起こり、カサカサゴワゴワといった硬い状態に。化粧品の浸透も悪くなり、ケアの効果が100%得られなくなります。
1日の顔の皮脂分泌と乾燥状態の変化
エアコンや紫外線など一日の環境の変化で私たちの肌は皮脂分泌の量が異なります。また、外的刺激によって角質層内の水分量も1日の中で揺れ動き、肌の乾燥状態も変化しているのです。最新のSK-IIの肌研究によると、乾燥ゆらぎが大きい肌ほど、毛穴、キメ、くすみ、肌の赤みなどさまざまな肌状態をゆらぎやすくなることが分かりました。
身心のストレス
精神的ストレスや肉体疲労などは、自律神経の乱れを引き起こし、血流を滞らせます。血液循環が悪くなると肌に必要な栄養分が行き渡らなくなるので、肌が荒れたり乾燥状態に。またストレスを感じると、“コルチゾール”というホルモンが分泌。これが過剰に分泌されるとうるおいのもとであるセラミドが分解され、乾燥が進んでしまいます。
喫煙や飲酒
タバコを吸うと活性酸素が発生し、肌が酸化。バリア機能が低下することで水分保持力が低下し、乾燥が進みます。一方お酒は脱水作用があるので、肌の水分も奪われがちに。さらに分解しきれなかった血中アルコールが蒸散する際に、肌のバリア機能が破壊!実際に飲酒後、約30分で肌の乾燥が始まることが確認されています。
過度なダイエット
新しい細胞を生むためには、材料となる栄養素が必須。それには毎日の食事が要になります。過度なダイエットで栄養が不足したり、栄養バランスが乱れると、肌の代謝も滞ってボロボロに。特に油抜きダイエットは肌の乾燥の元です。
睡眠不足
睡眠は、成長ホルモンの分泌を促し、肌を修復するためにとても大切。充分にとることができないと肌のターンオーバーが乱れ、バリア機能が低下。実際に5時間睡眠が3日間続くと、肌の水分量がなんと17%もダウン!水分喪失の割合が約13倍にもなるそう。
季節の変化
四季のある日本は楽しみも多いのですが、季節ごとにその季節ならではの乾燥要因が潜んでいます。春は空気が乾燥し、紫外線量が増えることで肌の水分が奪われがちに。皮脂分泌量も増えるので、肌の酸化からバリア機能の低下が危ぶまれます。夏は汗や皮脂の過剰分泌でベタつきがちな一方、エアコンや屋内外の気温差で肌の内側は乾燥するという「インナードライ」状態に。紫外線によるダメージも深刻です。秋は夏の紫外線ダメージを引きずったまま、急に空気が乾燥する季節。肌本来が持つ機能や代謝が低下することで、肌内の水分がどんどん奪われてしまう環境に。冬は外気の乾燥に加えて気温が下がることで、低皮脂分泌とバリア機能が低下。乾燥状態が続き、ほかの季節に比べて小ジワ、ハリ不足、キメの乱れなどのトラブルも進行しやすくなります。
私たちの肌はさまざまな乾燥要因にさらされています。でも悲観することはありません!原因を知ることできっちり対策を練って、毎日ケアをすれば肌は必ず応えてくれます。毎日心がけたいポイントをまとめました。
1.朝晩の乾燥スキンケアでしっかり保湿!
肌のうるおいを保つには、水分・油分のバランスが整っていることが必須。そのためには化粧水や乳液による基本のスキンケアを正しく行うことが大切です。まず化粧水は決められた量を守りましょう。水分をしっかり与えることで、肌がやわらかくなめらかになり、キメも整います。もし乾燥が気になるときは、一度に化粧水をつけるのではなく、少し時間をおいて数回にわけてつけ、重ねるごとに肌にしっかりなじんでいるかどうかを確認しましょう。そして水分の蒸散を防ぐために乳液やクリームでフタをし、与えた水分を閉じ込めることが大切。乾燥が気になる場合は、よりリッチなテクスチャーのクリームを使うことがポイントです。
2.乾燥は負のスパイラル。兆しを見逃さないで!
肌が乾燥しているときはバリア機能が壊れ、さらに水分が蒸散しやすい状態。少しでも乾燥を感じたら、集中トリートメントによるケアを。コットンに化粧水をしみ込ませたコットンパックや、有用成分が含まれているシートマスクでしっかりうるおい補給をしましょう。その後は、乳液やクリームでうるおいを閉じ込めること。乾燥しやすい目もとや口もとは、クリームの重ねづけもおすすめです。また日中の乾燥を防ぐためにも、下地クリームは乳液効果のあるものを選ぶと効果的。
3,紫外線ケアを徹底させる
紫外線は肌の乾燥だけでなく、さまざまなダメージを引き起こす元凶。なのに夏は日焼け止めをつけるけれど、そのほかの季節はおざなりになってはいませんか?特に紫外線量が急激に増える春先は“うっかり焼け”をしがち。また紫外線は室内にいても窓から入ってくると言われています。できれば1年中、そして外出しない日でも日焼け止めをつけるようにしましょう。日常生活であればSPF30ほどあれば十分ですが、夏のアウトドアシーンや雪反射が強いウインタースポーツシーンではSPF50を推奨します。保湿力も備わっていること、そして肌を酸化させる原因となる大気汚染などの環境ダメージからも守ってくれるものがベストです。
4,生活習慣の見直し
睡眠不足、心身のストレス、喫煙、飲酒、栄養バランスの乱れは、肌の乾燥につながります。世界一睡眠時間が短いと言われている日本女性が、毎日十分な睡眠時間を確保するのは難しいかもしれません。そんなときは睡眠の質を上げる努力をしてみましょう。ゆっくりお風呂につかったり、ラベンダーなどのアロマでリラックスして一日のストレスを解消!眠る1時間前からデジタルデトックスをするのもおすすめです。そしてバランスのとれた食事も必須。不足しがちなビタミンAやビタミンB群、ミネラル、タンパク質、良質な脂質をしっかり補いましょう。美意識の高い人には悪者にされがちな糖質(炭水化物)ですが、必須栄養素なので完全カットはアウト。少しでもいいので毎日とるようにしましょう。
5.乾燥による肌荒れのときは、決して無理をしない
乾燥によって肌荒れを起こしてしまうこともあります。メイクのノリも悪くなって気分も落ち込みますが、クヨクヨと気に病んでストレスを抱えたり、なんとかしようと思って一生懸命ケアをすると、さらに悪化させてしまうことも...。まずは顔を必要以上に洗いすぎたり、洗浄力の強いクレンジングを使うのをやめましょう。赤みや炎症、痛み、かゆいなどの症状がある場合は、お使いのコスメの使用をいったん中止し、心配であれば皮膚科医にご相談を。また肌は心や体の状態ともつながっています。日頃に受けるストレスに気づき、うまく解消する方法を見つけることも大切です。
日々のケアに加えて気をつけたいのは、季節がもたらす乾燥要因。ここからは各シーズンで気をつけたいケアのポイントをピックアップ。
【春】UVケアをしっかり&ストレスに注意
花粉などの酸化物質や、肌の深くまで入り込むUV-Aが一年で最も強いのが春。新しい1年の始まりでもあり、仕事環境の変化や家族の行事など、思いがけない負担から知らず知らずのうちにストレスを受けていることもあります。健やかな肌を保つためには、刺激の少ないていねいな洗顔で肌を清潔に保ち、化粧水と乳液(またはクリーム)で肌のうるおいを保つことが必須。また紫外線量が急に増える時期でも...。日焼け止めの塗り忘れにご注意!
【夏】肌の酸化、美白、角質のケアをプラス
夏の過剰な皮脂分泌は肌の酸化につながるので、やさしくていねいな洗顔で肌を清潔に保つことが大切です。また角質がたまりやすい時季。肌のざらつきが気になったときは、ぜひふきとり化粧水でのケアを。古い角質と同時に過剰な皮脂の対策にも役立つはず。その後はみずみずしい感触の化粧水をコットンにとり、肌がひんやりするまでやさしく押さえるようになじませて。肌がさっぱりとしたうるおいに満たされて気持ちいいはず!仕上げは、軽い使い心地の乳液(またはクリーム)でフタを。一年で最も紫外線が強い時季でもあるので日焼け止めはマスト。美白ケアもプラスするとよりよいでしょう。
【秋】急激に水分が奪われる!集中ケアを
夏に受けた紫外線ダメージを引きずりつつ、急に気温と湿度が低下するのが秋口。くすみや毛穴の目立ち、キメの乱れ、肌荒れなどのトラブルを感じている人も多いかもしれません。肌状態に合わせてふき取りローション、コットンマスク、シートマスクをプラスしながら、基本の化粧水+乳液(またクリーム)を徹底させましょう。そして紫外線ダメージが肌表面に現れてくる季節。UV&美白ケアも引き続き怠りなく。
【冬】いつもよりリッチなコスメでしっかり保護
空気の乾燥が激しい冬は、肌の乾燥による小ジワやハリ不足が顕著に表れる時季。保湿化粧水、乳液、クリームによる日々のケアでうるおいを保ちたいところ。乳液やクリームは他のシーズンよりもリッチなテクスチャーを選ぶとより効果的です。またエイジングケアをうたった製品をプラスすることで、より生き生きとした印象の肌を目指せるはず。

乾燥は私たちの肌の見た目、そして老化を促進する要素のひとつです。ですがきちんとしたケアを続けることで未来の肌は変わってきます。SK-II独自の「秋田10年研究」によると、肌にしっかり水分があり、バリア機能が保たれている肌は、10年後でも肌の美しさをキープできているとのこと。つまり乾燥をケアすることが、長期間美しい肌を保つための大きなカギに!未来の肌のためにも保湿を徹底させましょう。

※「秋田10年研究」: 秋田県で100人以上の女性を対象に、肌の変化を10年感に渡って追跡調査したもの。

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